はじめに
青春18きっぷは、たしかに時間がかかります。
基本的に利用できるのは普通列車と快速列車のみ。新幹線や特急列車には乗れないため、目的地まで何時間もかかったり、場合によっては日をまたいで移動したりすることも珍しくありません。
一見すると、ただの非効率な移動手段に思えるかもしれません。
しかし、私は青春18きっぷを使って40都道府県以上を旅する中で、それが単なる「安い移動手段」ではないことに気づきました。
この記事では、「青春18きっぷは時間の無駄なのか?」という疑問に対して、実際に旅を重ねてきた経験をもとに、私なりの答えをお伝えします。
青春18きっぷはたしかに非効率
新幹線より遅い
最大のデメリットは所要時間。
前述したように、利用出来るのは普通列車、快速列車の在来線のみ。
そのため新幹線と比較すると、所要時間に大きな差があります。
ここでは東京駅~名古屋駅を例に、所要時間を比較してみます。
| 比較 | 青春18きっぷ | 新幹線 |
| 所要時間 | 6時間~6時間30分 | 約1時間半 |
| 乗換回数 | 3回~ | なし |
| 費用 | ¥10,000(3日間用) \12,050(5日間用) | \11,300(通常期) |
目的地へ急ぐ人にとっては、この5時間は大きな差に感じるかもしれません。
しかし、青春18きっぷの旅では、この「長い移動時間」こそが魅力になる瞬間もあります。
乗換回数が多い
| 比較 | 青春18きっぷ | 新幹線 |
| 所要時間 | 6時間~6時間30分 | 約1時間半 |
| 乗換回数 | 3回~ | なし |
| 費用 | ¥10,000(3日間用) \12,050(5日間用) | \11,300(通常期) |
もうひとつのデメリットは乗換回数が多いことです。新幹線なら乗換は不要ですよね。
しかし、青春18きっぷでは普通列車や快速列車を乗り継いで移動するので、目的地まで長距離になればなるほど、乗換回数も増えていきます。
東京駅から名古屋駅を目指す場合、最低でも3回程度の乗り換えが必要になります。
さらに、乗り換えでは「ただ次の電車に乗ればいい」というわけではありません。
例えば、8番線に到着したあと、わずかな乗り換え時間で4番線まで移動しなければならないこともあります。
初めて訪れる駅で、次の列車に間に合うか分からない状況の中、毎回この緊張感のある乗り換えをこなす必要があります。
体力を使う
最後のデメリットは、やはりこれです。
体力を使うこと。
もちろん、先ほど述べたように、わずかな乗り換え時間の中で駅構内を移動したり、時には全力で次の列車へ向かったりする場面もあります。
さらに、新幹線での移動が当たり前になっている人にとっては、なかなか想像しにくいかもしれませんが、普通列車での長距離移動ではロングシートの座席に数時間座り続けることもあります。
新幹線の旅といえば、崎陽軒のシウマイ弁当を食べ、食後には「シンカンセンスゴイカタイアイス」を楽しむ……そんなところでしょうか。
しかし、青春18きっぷでゆく普通列車の旅では、残念ながらそのような快適な移動時間を過ごすことは難しいかもしれません。
ただ、普通列車には普通列車だからこそ味わえる、また違った楽しみ方があります。
それでも青春18きっぷを選ぶ理由
移動時間そのものが旅になる
青春18きっぷの魅力は、目的地へ早く到着することではありません。
目的地へ向かうために、早朝の東京駅へ着いた瞬間。まだ人の少ない時間帯の駅には、これから始まる長い旅への期待を感じさせる独特の雰囲気があります。
列車が都心を離れていくにつれて、景色は少しずつ変化していきます。
ビルが立ち並ぶ街から住宅街へ。そして、さらに進むと田園風景へと変わっていく車窓。
例えば、熱海付近を走る東海道線から見える海沿いの景色。
列車の窓から見える青い海や、山と海の間を走る線路の風景は、あっという間に通り過ぎてしまう新幹線では味わえない時間です。
また、途中下車した駅で感じる、その街独特の空気。
駅を降りた瞬間の匂い、歩いている人の雰囲気、駅前の景色。
同じ日本でも、町ごとに少しずつ違った表情があります。
効率だけを考えれば、何時間もかけて移動することは遠回りなのかもしれません。
しかし、その遠回りの中で出会った景色や感じた空気も、旅の大切な思い出になります。
青春18きっぷでは、移動時間そのものが旅の一部になるのです。
効率では測れない旅がある
ここまで紹介したように、青春18きっぷは決して効率の良い移動手段ではありません。
新幹線と比べれば時間がかかり、乗り換えも多く、体力も必要になります。
しかし、旅の価値は目的地へ到着するまでの時間だけで決まるものではありません。
早朝の駅で感じる空気。
車窓から流れていく景色。
途中下車した街で出会う、その土地ならではの雰囲気。
これらは、目的地までの速さを追求する移動では、なかなか味わうことのできないものです。
もちろん、限られた時間の中で効率よく旅行を楽しみたい場合、新幹線は非常に便利な選択肢です。私自身も、目的や状況に合わせて利用しています。
しかし、時には遠回りをすることでしか見えない景色があります。
青春18きっぷは、ただ安く移動するための切符ではありません。
時間をかけて移動するからこそ、その途中にある小さな発見や出会いを楽しむための切符なのです。
まとめ|青春18きっぷは時間の無駄なのか?
青春18きっぷは、効率だけで考えれば決して便利な移動手段ではありません。
新幹線なら短時間で到着できる場所でも、普通列車を乗り継ぐことで何倍もの時間がかかります。乗り換えや長時間の移動で、体力を使う場面もあります。
しかし、40都道府県以上を青春18きっぷで旅してきた私が感じた答えは、「時間の無駄ではない」ということです。
なぜなら、青春18きっぷでは目的地へ向かうまでの時間そのものが、旅の思い出になるからです。
車窓から見える景色。
初めて降り立つ駅の空気。
予定にはなかった街との出会い。
効率を求める旅では見過ごしてしまう瞬間に、青春18きっぷなら出会うことができます。
もちろん、時間を有効に使いたい人や、移動を快適に済ませたい人には向いていないかもしれません。
でも、目的地へ向かう過程も楽しみたい人にとって、青春18きっぷは特別な旅を作ってくれる切符です。
遠回りだからこそ見える景色がある。
それが、私が40都道府県以上を旅して出した答えです。
※翌日には全身バッキバキです。
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